今年になって2回目の更新です。更新期間長すぎですね。一旦更新しない癖がつくとなかなか治りません。いつも気になっていたのですが、怠け癖ってこうやってついていくんですね。
今年に入り、これまでに参加したいくつか勉強になった講演会について、まとめておきます。皆さんの参考になれば幸甚です。というか、自分の覚書という側面が強いです。
まず、プラザキサ関連の公演に2回参加させていただきました。1月8日に済生会病院で行われた東海大学の後藤信哉先生による心原性脳梗塞予防における抗凝固療法についてのものです。心房細動では非心房細動よりも脳梗塞リスクが5倍以上高いといわれるが、世界的な臨床研究で脳血管疾患の既往のある心房細動症例でも約半数しか抗凝固介入を受けていないのが実態であり、その結果の解釈は、約半数しか抗凝固療法を受けていないので血栓イベントが多いと理解するか、約半数も抗凝固介入を受けているので出血イベントが多いと理解するかは、個別の臨床医の考え方次第であるとのお話でした。近未来に脳梗塞を発症するリスクの高い症例に抗凝固介入するとの観点ではCHADS2スコアが有用で、このスコアの高い症例のみ抗凝固療法を考えるべきである。これまで抗凝固療法を一手に担ってきたのがワルファリンですが、PT-INRをモニターしながら多くの症例では安全に使え、多くの臨床経験があり、薬剤コストが安いのですが、少数にPT-INRのコントロールが難しい症例があり薬剤相互作用が多く予期せぬ薬効の変動が起こりえる、納豆、青汁などの一部の食品がとれない、重篤な出血イベントが増加する点などの欠点も存在します。そこで登場したのがダビガトラン;プラザキサです。モニタリングしないでよく、食品の制限もいらないが、薬代がかなり高いことが難点と考えられていました。しかし、発売後まもなく重篤な出血事例が複数報告されて、そういいことばかりではないと感じていました。aPTTや腎機能、Hbなどのチェックは必要なようです。後藤先生はワルファリンによる治療を基本として、PT-INRが不安定な方や納豆が食べたいなどの希望のある方など患者さん個々の人生観にあわせて選択することを勧めておられたように思います。なぜなら、どちらの薬剤を使用しても、血栓リスクと出血リスクが伴うからで、その予測は非常に困難だからです。
ちなみにわたしはまだ、プラザキサは処方しておりません。幸い、その必要に迫られないのとその希望もなかったからなのですが、性急に使用しなくてよかったと感じる薬ではあります。
少々疲れてきたので、また近日中に再度更新することとして、今日はここでやめておきます。
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