今日は午後休診だったのですが、夜肺がんの講習会に参加しました。九州がんセンターの呼吸器科の先生方が実際の症例のレントゲンを使用して肺がん発見のノウハウを教えてくださいました。
今日のポイントは肺縦隔境界線を意識して読影することです。気管の変位も重要な手がかりを与えてくれるようです。また、下行大動脈線や心辺縁に気を配ることも重要です。また、胸部レントゲン写真で多少でも違和感を感じたならば、胸部CTをとることが重要であると強調されていました。胸部レントゲン上ではあまりはっきりしなくても、胸部CTをとるとびっくりするくらい大きな腫瘍がある例も何例も供覧されていました。
また、新しい話題として、多くの肺がんにおいて標的物質が同定されていて、肺の腺癌においては実に50%においてEGFR遺伝子の変異が報告されているとのことです。また、最近報告されたALK/EML遺伝子の転位が認められる症例が5%前後存在して、それに非常によく効くcrizotinibという薬の治験が世界規模で行われており、九州では九州がんセンターのみがその指定施設になっているというお話でした。若年で急速に増大する肺がんにおいては、その種の肺がんの可能性を考えて遺伝子検査を実施することが望ましいとのお話でした。
お話の中で肺がんを疑って肺の一部を手術で摘出したが、結果的にはがんではなく、器質化肺炎であったとの例も供覧されました。成功例ばかりでないところも好感が持てました。大変勉強になりました。また参加したいです。
http://fhp.jp/hatama_clinic/
http://www1.bbiq.jp/hatama_clinic/index.html
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