2013年12月2日月曜日

メラトニン

 今晩はメラトニンに関する勉強をしてきました。先日記載したようにメラトニンは睡眠覚醒サイクルを調整するホルモンで睡眠中に血中濃度が上昇するのですが、加齢とともに分泌が低下するようです。メラトニンの合成・分泌は主に光で調節されているそうで、夜間に光をあびるような生活習慣の乱れによって、その分泌リズムが乱れて、不眠症に至る一因と考えられています。
 私は知らなかったのですが、10数年前にメラトニンを摂らせたネズミのほうが長生きするという論文が出て、メラトニンブームが起こったそうです。それでサプルメントとして欧米では大量に販売されたのですが、中毒症状を呈する人が出たとのことです。今日の話ではMT3というメラトニン受容体の1種が全身に分布しており解毒作用に関与することからメラトニンは20分程度の半減期物質であるにもかかわらず、中毒症状を呈したとの推論でした。
 ロゼレムという商品名で知られるラメルテオンの開発秘話を聞くことができました。口演中でも何度も議論されたのですが、即効性がないため体内時計の調整というすばらしい作用機序のわりには患者さんに受け入れられない側面があります。

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