2014年2月5日水曜日

冠動脈疾患の治療と糖尿病

 昨夜は冠動脈疾患の治療について勉強してきました。
1977年にGruentzigがPTCAを始めたことに冠動脈のカテーテル治療が幕を開けます。その約10年前の1968年にFavalaroによってCABG(冠動脈バイパス手術)は初めて行われました。その後カテーテル治療は1987年からBMS(ステント治療)が始まり、1997年からDES(薬剤溶出性ステント)が導入されています。
 PCI(カテーテル治療)ではCABGに比べて、心血管イベントが多い、つまり患者の長期予後が悪いという事実があります。DESの導入でステント部の再狭窄が減少しましたが、患者の死亡は減少しないということです。その要因として、冠動脈の新規病変の出現と不安定プラークの出現が考えられます。
 また、PCIとCABGの成績の差は、非糖尿病では明らかではないのですが、糖尿病群で差が生じています。LIMA-graft(左内胸動脈)にはあまり動脈硬化性病変が生じないことが知られています。
 待機的にPCIを受けた患者に75gGTT(糖負荷試験)を行うと、その2/3に耐糖能低下が認められますが、その平均HbA1cは5.6%と正常域にあり、積極的な耐糖能障害のスクリーニングと早期の治療介入が重要なようです。食後高血糖はPCI患者の心血管イベントを増加させるようです。
 インスリン抵抗性→高インスリン血症→心血管疾患というスキームが存在します。そのためMET(メトホルミン)やTZD(チアゾリジン)を使用することが推奨されていました。食後高血糖の改善のためにα-GIやDPP-4阻害薬が推奨されているようです。
 PCI全盛の時代ですが、治療成績はまだCABGには及ばないのですね。CABGは当然開胸手術になるため、カテーテル治療が選択されやすいのもなんとなくわかりますが、施術後2年以降の成績に差が出てくるようです。

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