今夜は高血圧です。
いくつかの遺伝子が高血圧関連遺伝子として同定されているようですが、どういった条件でその遺伝子が高血圧を発症させるのかという実際的に興味深いところはまだあまりわかっていないようです。
高血圧と認知症の関連が指摘される中で、中年期の高血圧は高齢期の認知症やアルツハイマー病(AD)の発症のリスクではあるが、高齢期の高血圧の関与は明らかでないようで、つまり、早期に治療開始したほうがよいということです。ADの特徴的な脳の組織学的変化である老人斑や神経原線維変化も高血圧の方では多いことがわかっています。
夜間血圧変動パターンとしてdipper(昼間より10-20%下がる)、non-dipper(昼間より10%未満の低下)、riser(昼間より上昇する)及びextreme-dipper(昼間より20%以上低下)に分類されます。
いくつかの大規模臨床試験が示されて、血圧をより下げたほうがより良い臨床結果になるということは以前より言われなくなった印象です。以前は”The lower, the better"と声高に言われたものです。その中で注意すべきと感じたのは、PATE研究で示された75歳以上では収縮期血圧を120mmHg以下にすると心血管リスクが逆に上昇するというものです。注意せねばなりません!!
さらに、血圧変動の群間差(visit-to-visit variability)ですが、これが大きいほど心血管リスクが高いことが知られており、臨床的にはとても悩ましい問題です。これについては家庭血圧の測定で補完すべきとのお話でした。
今春高血圧治療ガイドラインが改定されるのですが、利尿薬、ARB, ACEI, カルシウム拮抗薬のいずれでも降圧レベルが同じならばあまり大きな結果の差は出ないのではないかという気がしています。3剤以上の降圧薬の併用では1剤は利尿剤にするように示されています。また、ARBとACEIの併用は基本的に推奨されていません。個人的には、必要と考えた症例にはそれなりの注意をしながら併用しています。
目新しいことはなかったのですが、知識の整理になりました。
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