2014年2月9日日曜日

好酸球性副鼻腔炎と気管支喘息

 今日は今週の水曜日、2月5日に勉強させてもらったことを書こうと思います。
 副鼻腔炎(蓄膿症)にはその9割を占める好中球性副鼻腔炎とその1割の好酸球性副鼻腔炎があります。好中球性は抗生剤で治療し、比較的ポピュラーな病気といえます。一方、好酸球性副鼻腔炎は鼻茸を合併することが多く、嗅覚障害も伴いやすい。鼻汁中には好酸球が多く、アレルギー性鼻炎や気管支喘息の合併も多いです。組織所見は好酸球の浸潤が認められ、治療としてステロイドが有効です。血中好酸球も6%以上となることが多いようです。画像診断としてCTが推奨されて、副鼻腔内の病変の広がりを確認します。篩骨洞から発生して上顎洞に広がることが多いようですが、原因は明らかでないのですが、前頭洞や蝶形骨洞にはあまり見られないようです。
 治療としては、まず篩骨洞と上顎洞の内視鏡下内膜除去術を行った後に、ステロイド(セレスタミン1錠、プレドニン3錠またはリンデロン)やステロイド剤の点鼻やロイコトリエン拮抗薬(LTRA、シングレアまたはオノン)を投与して経過を見るようです。原因となるアレルゲンは特定されないことが多いようです。
 
 次は、喘息です。咳は一般的に医療機関を受診する理由のトップ3にはいるほど多くの方にとって煩わしい症状と思われます。咳嗽の発生機序は正確には解明されていないのですが、気管支上皮と平滑筋から迷走神経を介して咳中枢に伝えられます。
 分類ですが、痰を伴うか否かで湿性咳嗽と乾性咳嗽に分けられます。基本的に湿性咳嗽には去痰薬で治療するのが基本です。また、持続期間で3週未満の急性、3週~8週の遷延性、8週以上の慢性に分けられます。慢性咳嗽の場合、抗菌薬の効果はあまり期待できません。
 慢性咳嗽の原因ですが、欧米では後鼻漏、胃食道逆流、咳喘息が多く、他方、日本では、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、咳喘息が多く、若干の相違があります。忘れてはならないのは、ACEIなどによる薬剤性咳嗽や喫煙によるものなどを除外する必要があります。
 咳嗽のポピュラーな原因として、①咳喘息・・・夜間~早朝の増悪、②アトピー咳嗽・・・のどのイガイガ感、季節性があり、アレルギー疾患を伴うことが多い、③副鼻腔気管支症候群・・・膿性痰、④胃食道逆流・・・会話後や食後の咳嗽、PPIが有効、⑤感染後咳嗽などがあります。
 咳喘息は8週以上持続する咳で、喘鳴は伴いません。β-刺激薬やテオフィリン製剤の気管支拡張剤が有効です。また、末梢血や喀痰中の好酸球や呼気NO濃度も診断の助けになります。
 再発予防ですが、咳喘息患者の1/3は1年以内に気管支喘息へ移行することが知られており、吸入ステロイドの継続使用でこの移行を抑制できると考えられています。また、LTRA内服を2冬続ければ、気管支喘息への移行を予防できると考えられています。
 気道リモデリングという気管支平滑筋肥大と粘膜下腺組織肥厚が生じることが知られており、気道収縮がこれを増悪させます。
 感染は喘息死の誘因となることがあります。また、喘息患者の喫煙率は17~35%といわれており、少なくとも半数に喫煙歴があります。
 喘息妊婦と児の喘息発症リスクは1.6倍と考えられており、妊娠前の禁煙が有効と考えられています。
 ライノウイルスは最も多い喘息発作の誘因と考えられています。また、RSウイルスもよく喘息を誘発することが知られており、これらのウイルスはasthmagenic virusと呼ばれています。
 また、マクロライド系抗生剤は喘息発作の軽快と増悪頻度の減少に寄与すると考えられています。

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