2014年7月4日金曜日

高血圧治療ガイドライン

 今年の4月に高血圧学会から2014年の高血圧治療ガイドラインが改定されました。これも4月に勉強させてもらったのですが、更新が遅れました。><;
 血圧測定については、家庭血圧を優先させ、原則2回測定して、平均を記録することが推奨されています。最近当院でも施行できるようになったのですが、24時間血圧計(ABPM)の高血圧基準は24時間では130/80mmHg、昼では135/85mmHg、夜では120/70mmHgとされています。ABPMでは白衣高血圧の除外や仮面高血圧の診断ができます。
 75歳以上の患者では150/90mmHgをめざし、可能であれば140/90mmHgにするように緩やかな基準になっています。また、糖尿病や蛋白尿を伴う慢性腎臓病(CKD)の場合は、130/80mmHgを目指します。ここで注意すべきはCKDのもう一つの範疇であるeGFRの低下のみで治療基準の設定がないということです。また、6m歩行を完遂できない虚弱(フレイル)高齢者の治療は個別に検討するようになりました。
 高齢者高血圧の特徴として、血圧動揺性の増大、ABPMで夜間血圧がnon-dipper型が多い、morning surgeも多いなどが指摘されています。
 第一選択の降圧薬から外されたβ-ブロッカーですが、心疾患合併高血圧には使用が勧められています。
 病態ごとの推奨降圧薬は、心房細動ではRA系薬剤は推奨がはずれたこと、骨粗鬆症ではCa排泄を低下させるのでサイアザイド系利尿薬が推奨されたこと、誤嚥性肺炎にはACE阻害薬が推奨されたことなどが挙げられます。
 ただし、第一選択のARB、ACE阻害薬、Ca拮抗薬、降圧利尿薬を3剤してもコントロールできない場合は、α‐ブロッカー、β-ブロッカー、アルドステロン拮抗薬、中枢性降圧薬などを使用します。
 臨床評価として、眼底検査、心電図、心エコー、eGRF、尿蛋白、頚部エコー、ABIなどがあります。

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