神経障害性痛の機序として、末梢性感作、中枢性感作および下行性抑制系の抑制などが示唆されています。
トラムセットという薬剤があるのですが、弱オピオイドであるトラマドール37.5mgと中枢性鎮痛剤のアセトアミノフェン325mgの合剤です。トラマドール50mgがほぼモルヒネ10mgに相当するようです。ただし、副作用も60%と多いため、眠気、めまい、便秘、嘔気などを十分に対策を立てておくことが重要です。そのため、ナウゼリン1錠とマグミット2錠とともに眠前1錠から開始して2週間ずつ漸増して痛みがコントロールされていくまで増量していくのが良いとされているようです。2週間後に嘔気がなければナウゼリンは中止しても、便秘のコントロールは容易でないためマグミットは自己管理させて継続するほうが良いようです。疼痛改善率は65‐80%だそうです。効果発現も早いが、効果消失も早く、1日3‐4錠を必要とする例が多いようです。自動車を運転される方には眠気が生じるために注意が必要なようですが、使用できないとまでの発言はありませんでした。この点はもう少し自分としては検討したい点です。
最後に薬物療法ですが、侵害受容性痛では①NSAIDs、②トラムセット、トラマール、③モルヒネ、フェンタニルの順で、神経障害性痛では①プレガバリン(リリカ)、②ノイロトロピン、③トラムセット、トラマール、モルヒネの順ということでした。そのほかに、トリプタノールやサインバルタなどの抗うつ薬もリリカの次に眠前使用して有効例があるとのことでした。
リリカは自分でも処方をして何人も有効例を経験しているのですが、トラムセットはまだ処方したことがありません。今日の講演は実際的な注意点が示されて勉強になりました。
畑間内科クリニック
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