2013年11月18日月曜日

呼気NOと喘息

 今晩は喘息の勉強をしてきました。NO(一酸化窒素)はL-アルギニンからiNOSという酵素の働きで産生されるのですが、気道の好酸球性炎症の指標とされており、今般保険収載をされました。呼吸中のCOやエタンも気道炎症の指標なのですが、NOは喘息に特異性が高いために診断的意義があると考えられています。NIOX MINO(Aerocrine)という手軽な測定器が紹介されました。NOの5-300ppbの範囲で2分弱で測定できるようです。大きさも24X13X10 ㎝と小型でクリニック向きです。呼気NOは気管支喘息で上昇し、咳喘息や好酸球性肺炎でも軽度上昇しますが、その他の慢性咳嗽ではあまり上昇しません。呼気NOは鼻炎の合併で上昇して、喫煙により低下する傾向があります。全般的にいえば、30ppb以上であれば、気管支喘息である可能性が高くなるようです。ただし、診断は呼気NOのみでなされるのではなく、症状、診察所見、呼吸機能、採血結果および胸部レントゲンなどの総合判断でなされることは言うまでもありません。
 気管支喘息以外でもICS/LABAが有効であるCOPDにおいてはその有用性を予測することができるようです。特にアトピー素因とNO>35ppbを満たせばかなり有用なようです。
 サイトカインでiNOSが誘導されるのですが、ステロイドで活性低下するため呼気NOも低下します。呼気NO測定に関する注意として、日内変動はあるがあまり気にしなくて良い;早朝高く、夕方低い傾向にある。レタスなどを食べた直後は上昇傾向にある。亜硝酸薬の服用では上昇しない。
 当院でももう少し検討して導入を検討してみたいと思います。

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