2011年10月26日水曜日

ディオバンの勉強会

 昨夜は診療終了後にグランドハイアットで開催されたディオバンの勉強会に参加しました。演者は大阪大学の森下竜一先生です。ディオバンは私もしばしば使用するARBと呼ばれるレニン・アルドステロン系を阻害することで血圧を下げます。6種類のARBが市場に導入されています。肝臓で合成されたアンギオテンシノーゲンはレニンの酵素作用でアンギオテンシンⅠに変わり、それは肺に存在するACE(アンギオテンシン変換酵素)の酵素作用でアンギオテンシンⅡに変わります。これがアンギオテンシン受容体に結合します。この受容体には悪玉受容体であるAT1と善玉であるAT2の2種類が知られています。AT1は血管収縮や血圧上昇、アルドステロン分泌、細胞増殖亢進に関連しており、AT2は血管拡張、血圧低下、細胞増殖低下に関連しています。ARBはこのうちAT1に結合して、アンギオテンシンⅡの作用を抑制します。アンギオテンシンⅡは副腎皮質球状帯に働き、アルドステロンの分泌を促します。アルドステロンは腎臓でナトリウムと水の再吸収を促進して循環血液量を増加させ、血圧上昇に導きます。
 ARBは骨粗鬆症の抑制、アルツハイマー病の抑制、ナトリウム利尿などの作用を持つとのお話でとても興味深いものでした。

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アクトスあれこれ

月曜の夜、武田製薬の営業所でアクトスのテレカンファレンスがありましたので参加してきました。講演の内容には目新しさはなかったのですが、報道されている膀胱がんに対してのコメントに期待して参加しました。会の性質上、アクトスよりの発言に終始しており、それがそのまま日常臨床に適応できるかどうかは微妙な感じです。アクトスの効果が優れていることは多くが認めるところですが、問題は安全性の問題をどうクリアするかが問題で、今日の講演会では十分な答えが得られたとは私には思われませんでした。もう少し考え続けたいと思います。

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2011年10月23日日曜日

歓送迎会

 少し前のことになるのですが、重要な節目のイベントなので、アップしておきます。約半年当院で受付業務に従事してくれた鈴木さんが郷里に戻られることになり、新しい受付事務として山口さんを迎えることになりました。それで10月15日の土曜日に西新の金太でもつ鍋を食べながら歓送迎会をしました。日頃は仕事の話だけなのですが、個人的な話ができて楽しいひと時を過ごすことができました。時々はスタッフと食事に行きたいものです。

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2011年10月20日木曜日

アルツハイマー病勉強会

 昨夜は診療終了後にヒルトンシーホークで認知症の勉強会に参加しました。田北メモリーメンタルクリニックの田北先生から立て続けに発売されたアルツハイマー病の治療薬について治験の時からの貴重なお話を聞くことができました。その後各自の経験や疑問をみんなで討論するという形式の勉強会でした。アルツハイマー病治療薬に対するresponder(反応例)とnon-responder(不反応例)があるようですが、その感触は先生方によってかなり評価が分かれているようです。
認知症症状は認知機能障害である中核症状(記憶障害、判断力低下、見当識障害、言語障害、失行、失認など)と周辺症状であるBPSD(不安、抑うつ、徘徊、不眠、妄想、身体的攻撃性)が知られています。
ここで注意すべきは薬剤により認知機能が低下している場合があることです。”AKBて何処”という言葉で注意すべき薬剤を記憶できるようです。抗潰瘍薬、ベンゾジアゼピン系薬、抗てんかん薬、ドーパミン系薬、抗コリン薬です。心して記憶しておきます。
 アルツハイマー病治療薬は評価が難しいと感じていましたので、先生方の本音が聞けて大変勉強になりました。

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肝疾患症例検討セミナー

 昨夜はヒルトンシーホークで行われた表記勉強会に参加しました。肝癌は転移が多いことが知られていますが、それを抑制する補助療法として九州医療センターではマイクロ波凝固壊死療法や肝動脈塞栓術に加えて、COX-2阻害薬と亜鉛製剤、ACE阻害薬、ビタミンKを使用して良好な癌転移の予防成績を上げているようです。
 また、肝炎ウイルス陰性肝癌は意外に多く、B型肝炎によるものとほぼ同じ20%あるとのことです。非アルコール性脂肪性肝炎では5年で30-40%が線維化進行が認められるとのことでした。肝硬変に進行することもあり、また肝炎から癌化することもあるとのことです。
 さらに糖尿病で肝障害がある場合は年に一度PIVKA2と肝エコーをチェックすることが勧められるとのことでした。これは日常診療に生かしていくべきと考えました。
 最後に中牟田先生から今後使用できるようになる蛋白分解酵素阻害薬のテラプレビルであるテラビックのお話がありました。インターフェロンとリバビリンと併用することで、これまで寛解が得られにくかったジェノタイプⅠbに対して従来の寛解率30%が再燃例では90%、初回治療例では70%、無効例でも約50%に改善するとのことです。医療センターでも12月後半から使用できるようになるようです。以前インターフェロン治療を受けて諦めている患者さんには公費補助もある中で大いなる福音となることでしょう。勉強になりました。

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2011年10月13日木曜日

漢方の勉強会

今日は久しぶりに診療終了後に漢方の勉強会に参加しました。このところ予定していた勉強会にも院内がばたばたして参加できずにいました。今日は五苓散、柴胡桂枝乾姜湯、炙甘草湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、大柴胡湯について勉強しました。西洋薬とは違う効き方なのですが、漢方も捨てたものではないです。非常に有効な治療手段の一つと思います。今後も勉強を続けていきたいです。

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