2014年3月8日土曜日

肥満症と糖尿病

 3/5はヘビーな講演会に久々に参加しました。テーマがテーマですから参加された先生も多かったです。2時間に3演題は少し内容濃すぎかも・・・。
 スライドが速すぎて、十分にフォローできませんでした。細かい点は多少不正確かもしれません。速記習っておけばよかったな・・・。

 まずは、糖尿病と肥満症の総説です。インスリン分泌力は遺伝の影響が大きいですが、インスリン抵抗性は、肥満、過食、高脂肪食、運動不足やストレスなどの環境因子の影響が大きいと考えられます。
 糖尿病においては、長期的な血糖コントロールの悪化が問題なのですが(2次無効)、β細胞機能の低下が一因と考えられています。糖尿病診断時にはインスリン分泌は正常の半分と考えられています。
 糖毒性はインスリン分泌不全とインスリン抵抗性をもたらします。
 低血糖は総死亡を増やすことが知られていますが、HbA1cと総死亡の間にUカーブの関係があり、HbA1c 7.5%程度が総死亡が最低になるようです。Accord Studyにおいても厳格な血糖コントロールが総死亡を上昇させることが示されていますが、その一因として交感神経緊張や体重増加が推定されています。
 内臓脂肪100cmはBMI 25にほぼ相当すると考えられています。健診データによると、メタボリック症候群は男性で15%、女性で1.3%に認められるそうです。メタボの腹囲も男性では85cmのままでよいが、女性は90cmではなく80cmを適用すべきだという意見が多いようです。

 次は肥満および糖尿病に対する外科治療です。
肥満に対する外科手術はいくつかあるのですが、基本は腹腔鏡下に胃の縮小を行う手術です。手術適応は人種により若干違っているようですが、手術死亡率が0.1-0.3%であることからBMIもだんだん下がってきているようです。長期的合併症として、栄養障害や貧血などがあり、バイパス術では一生サプルメントが必要だということです。また、これまでは保険の適応がなく約200万の費用を要していたようですが、4月からはスリーブ状胃切除に保険が適用されるようです。
 糖尿病の外科手術で完全寛解は患者が若いほど、罹病期間が短いほど、BMIが大きいほど効果は大きいということです。これからは糖尿病外科がもっと多くなるのかもしれません。

 最後に、肥満の内科治療ということで、膵リパーゼ阻害剤の話がありました。1日の脂肪摂取量は年々増加しています。武田薬品が上梓を目指している新薬です。もう少し演者を絞ってじっくりと話が聞きたかったなあと感じました。こういう会の構成は個人的には嫌いです。一般の方への啓蒙ではないのでもう少し深く掘り下げてほしいです。

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